- Flow Flute and Piano -
「Flow Flute and Piano」は、2012年に「京都フランスアカデミーメシアン賞」を受賞した楽曲で、細かい無数の連打音が作り出す音の流れ(Flow)をテーマに作り上げられた作品です。
受賞歴
京都フランスアカデミーメシアン賞受賞
「Flow Flute and Piano」の特徴
「Flow Flute and Piano」は、フルートとピアノの関係性に注目して作曲した作品で、一般的に良く有る構成となる「ピアノがフルートの伴奏をする」と言う形式では無く、2つの楽器が同種の楽想(音楽で表現しようとするための構想)を奏で、1つの流れを作っていきます。
「Flow Flute and Piano」に込められた狙い
「Flow Flute and Piano」を作曲するに辺り、ピアノの3音から成る同音連打の指の動きのイメージが最初にありました。
ピアノの3音の同音連打は、フルートのトリプルタンギングによって同質の動きをする事ができ、本来であれば全く異なる特徴を持つピアノとフルートが、同じ意図を与える事により、交ざり合い細かい音粒から成る流れ(Flow)を表現できるのではないかと考えました。
「Flow Flute and Piano」の音楽的要素
「Flow Flute and Piano」は三部から成ります。
第一部
第一部では、鋭く短い断片的な音素材と、ゆったりとした旋律的要素の強い音楽が交互に流すことにより、方向性の持たない音楽を目指しています。
第二部
第二部は、「Flow Flute and Piano」中心的な楽章で、ピアノとフルートが9連符の細かい連打音を“カノン風”に表現し、時折、離れていた2つの楽器は歩み寄り、お互いの音を確かめ合います。
また、音を粒子のように細かく散りばめる事で、“揺れ動く音の層”を作るイメージを盛り込んでいます。
第三部
第三部は、coda(独立してつくられた終結部分)的な要素要素の強い楽章で、ピアノの上行音型(音階を駆け上がる型:ホルスト作曲「第2組曲」1曲目の“MARCH”の冒頭が有名)を背景に、フルートが技巧的に奏でていきクライマックスを迎えます。
演奏場所
京都
初演 2012年3月
演奏者
フルート 奥田律
ピアノ 森本ゆり
楽器・構成
- Flute
- Piano
Flow 概要
「第81回日本音楽コンクール」2位入賞となった「Flow」は、変化する音のFlow(流れ)を、オーケストラとして表現するために作曲された楽曲です。
「無数の短い音の線」が集積していく過程で、様々な形へと変化し表情を持ち始め、変わりゆく表情は音に流れを持たせ、寄せては返す音の流れに耳を傾けて頂けると幸いです。